一日一曲(454)ホフマン、ヴォルフガング:無言の詩篇

 本日は、生誕100年(1922年9月6日没)を迎えらえたドイツの作曲家兼ヴァイオリニスト兼指揮者、ヴォルフガング・ホフマンさんの曲をご紹介します。

 ホフマンさんはクラリネット奏者の家に生まれ、幼少のころから音楽の英才教育を受けられました。途中、第2次世界大戦で徴兵され、サハラ砂漠の端で捕虜となるなど、8年ほど音楽のキャリアが中断されたそうです。大変な経験をされたホフマンさんですが、捕虜収容所の中で合唱団を作って指揮を担当したほか、キャンプオーケストラまで設立し、オーケストラのために作曲したりレッスンするなどと活躍されました。ホフマンさんのいくつかの作品は、捕虜収容所の中で初演されています。

 本日の曲、「無言の詩篇」はパン・パイプ(もしくはパンフルート)という楽器のための独奏曲(ピアノ伴奏あり)です。
 パン・パイプは木管楽器の一種で、古代ギリシャの時代から存在している民族楽器です。定義としては、「一端が閉じられた長さ・太さの異なる数本の管を、開端をそろえて長さの順に筏状に束ねて作られた縦笛」となります。日本の伝統楽器の笙(しょう)にやや形が似ていますね。ただ、笙とは別物です。パンパイプはシルクロードを通って中国に伝わり、奈良時代には日本にも伝来したそうです。当時は「排簫(はいしょう)」と呼ばれていたとのこと。一時的に取り入れられたのかもしれませんが、雅楽の世界からはいつしか姿を消ししまったそうです。
 管を傾けたり、顎を動かすことによって半音(♯や♭の付いた音)を出すことが出来るそうです。また、楽器を持つ手を揺り動かしたり、息の圧力を変えることによってビブラートをかけることもできるとのこと。書いていると簡単そうですが、実際は結構難しいのではないかと思います。
 本日は、パン・パイプの名人芸をお楽しみください。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ホフマン、ヴォルフガング:無言の詩篇

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