一日一曲(491)リゲティ、ジェルジュ:練習曲第6番「ワルシャワの秋」
本日は、昨日ご紹介しましたセロツキさんが創立した現代音楽祭「ワルシャワの秋」にちなんだ曲をご紹介します。
題名はそのままで、「ワルシャワの秋」。現代音楽作曲家としてこの方を抜いては語ることはできない、ジョルジュ・リゲティさんの作品です。
「ワルシャワの秋」は、『ピアノのための練習曲』第1巻の6曲目(最終曲)として、1985年に作曲されました。リゲティさんは練習曲を全3巻14曲作曲されています。この曲集はリゲティさんの作品の中でも、現代音楽の作品としても、ひときわ重要で魅力的な作品と評価されています。
「ワルシャワの秋」は、アルペジオの音型が繰り返される中、高い音から低い音に下降する音型がテーマとなり、微妙に形を変えながら幾度も繰り返されます。作曲者はこの音型を”lamento motif”(嘆きのモチーフ)とおっしゃっているそうです。嘆きが冷たい秋の雨となり降りそそぐイメージでしょうか。アルペジオの音型も微妙に複雑に形を変えていきます。最後は怒涛のように転がり落ちるような形でピアノの最低音が強打されて曲は終わります。
かなり数学的にち密に計算されながら作られているのですが、聴いているとそんな無機的な要素は感じず、逆に生々しく激しい情念の塊を感じます。面白いものですね。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
リゲティ:練習曲第6番「ワルシャワの秋」
演奏者のサイトを見つけましたので、そちらも挙げておきます。
内匠 慧 オフィシャル・サイト