一日一曲(505)ヘンツェ、ハンス・ヴェルナー:ルーシー・エスコット変奏曲

 本日は、没後10年(2012年10月27日没)を迎えらえたドイツの作曲家、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェさんの曲をご紹介します。

 1926年生まれのヘンツェさんは、12歳の時から作曲を始めました。1947年に弱冠21歳にして交響曲第1番を作曲、ドイツでもっとも才能のある若手に列されます。以後、多数の芸術賞や音楽賞・名誉博士号などを取得するなど、現代ドイツを代表する作曲家として活躍されました。10曲の交響曲の数多くのオペラ、その他協奏曲や合唱曲・吹奏楽など規模の大きい編成のものが得意だったようで、多数の作品を遺されています。

 本日の曲、「ルーシー・エスコット変奏曲」はヘンツェさん33歳の時の作品です。珍しくピアノ独奏曲の小品です。
 19世紀のアメリカの名高いプリマドンナ、ルーシー・エスコット(1829-1895)さんをイメージして書かれた曲です。曲中では、エスコットさんがが得意としたベッリーニの歌劇『夢遊病の女』の音楽が引用されています。参考まで、このオペラのリンクをつけておきます。どこの部分が引用されているのか、探してみるのも面白いでしょう。
 印象派のような、水の流れを描写したような響きで始まりますが、だんだんと現代的なメロディや和声が優勢となり、やがて曲は静かに終わりを迎えます。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ヘンツェ、ハンス・ヴェルナー:ルーシー・エスコット変奏曲

歌劇「夢遊病の女」

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