一日一曲(506)キングスレイ、ガーション:ジャズ詩篇
本日は、生誕100年(1922年10月28日生)を迎えらえたドイツ生まれのアメリカの作曲家、ガーション・キングスレイさんの曲をご紹介します。
1922年、ライン川の東方に位置し、ルール工業地帯を代表する工業都市の一つであるボーフムでユダヤ系ドイツ人の家庭に生まれたキングスレイさんは、1938年にナチスの迫害を逃れて一家でパレスチナに移住、さらに大戦後の1946年にはアメリカに移住します。当初、ジュリアード音楽院に入学しようとしたのですが、高校を卒業していなかったため入学を認められず、仕方なくロサンゼルスで夜間の高校を卒業した後、ロサンゼルス音楽学校に入学し、音楽を学びます。ジャズバンドで活動した後、電子音楽の先駆者の一人となりました。シンセサイザーを使用した1969年の楽曲「ポップコーン」などが有名です。2019年12月10日97歳で亡くなられました。長生きされました。
本日の曲、「ジャズ詩編」は、1966 年、キングスレイさん44歳の時の作品です。当初は3つのユダヤの典礼曲として作曲されましたが、後に作曲者自身によってその中から2つが抜粋され、現在のタイトルに改題されました。「詩編」と名付けられていますが、聖書の詩編からの引用ということではなく、ヘブライ語の典礼からの祈り、「聖なる歌」という、より広い一般的な意味となっています。
ジャズと伝統的なユダヤの祈りとのが、奇跡ともいえるくらい見事に融合されています。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
キングスレイ、ガーション:ジャズ詩篇(指揮は作曲者自身)