一日一曲(514)カーター、エリオット:エピグラムス

 本日は、没後10年(2012年11月5日没)を迎えらえたアメリカの作曲家、エリオット・カーターさんの曲をご紹介します。

 103歳という、非常に長生きされた作曲家でして、もしかしましたら、作曲家の最高齢記録保持者かもしれません。
 ハーヴァード大学、ケンブリッジのロンギー音楽院、パリのエコールノルマル音楽院などで学ばれ、1920年代後半から80年以上の長きにわたって活躍されました。

 本曲は、カーターさんの遺作となった曲です。本日の演奏者の一人、ピアニストのピエール=ローラン・エマールさんの委嘱により書かれました。亡くなられた年の8月13日に完成。残念ながらカーターさんは本曲の初演時には立ち会うことはできませんでした。御年103歳!の時の作品というのは、最高齢での作曲記録となるのではないかと思いますが…ギネスものですね!
 ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための作品ですので、「ピアノ三重奏曲」に分類することができます。題名の「エピグラム」というのは、『結末にひねりを利かせるか、簡潔でウィットのある主張を伴う短い詩』と定義されていまして、古代ギリシャから使われていた形式です。本曲は12の楽章から構成されていますが、一つ一つは演奏時間50~100秒という、大変短いものです。そのあたりの状況を曲のタイトルが示しているのでしょう。ポツポツと奏でられる音の塊が他の楽器に引き渡され、そこで発展したり消えて行ったり、という流れを繰り返しつつ、曲が進行するような構造になっています。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
カーター、エリオット:エピグラムス

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