一日一曲(534)ヴォーン・ウィリアムズ:2台のピアノのための協奏曲
本日は、昨日の曲の編曲版をご紹介します。作曲者自身とイギリスのピアニスト、ジョセフ・クーパーさんとの共同作業で行われました。
本曲は、当初からあまり評判がよくありませんでした。技術的にも音楽的にも難解なうえ、それに見合った?効果が得られない(例えば、ピアニストの苦労が聴衆に分かりやすい形で伝わらない、等)ことで、初演以降演奏される機会があまりありませんでした。そこで、すぐに終楽章が改訂され、1936年に出版されたのですが、これまたあまり芳しいものではありませんでした。結局、1946年に「2台のピアノのための協奏曲」として再構成されることになりました。
ピアノパートは独奏版より幾分は易しくなりましたが、音響的には付け加えられているものもあり、音楽的な「難渋さ」はさほど変化ないものとなっています。
独奏版では、初演者コーエンさんと関係のあった友人の作曲家、バックスさんの交響曲からの引用もあったのですが、「彼に気が付いてもらえなかった」という理由で、その部分は2台のピアノ版では削除されています。
2台のピアノ版は、独奏版よりもより分厚くなったような印象です。本日の演奏と昨日の演奏、お好みでどうぞ。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ヴォーン・ウィリアムズ:2台のピアノのための協奏曲