一日一曲(551)ミュシャ、ジェラルディーヌ:エピタフ(イルジー・ミュシャの思い出に)

 本日は、没後10年(2012年10月12日没)を迎えらえたスコットランドの作曲家、ジェラルディーヌ・トムセン・ミュシャさんの曲をご紹介します。

 ミュシャさんは1917年にロンドンでバリトン歌手の父のもとに生まれました。幼い頃から即興演奏をするなど音楽の才能を示していたとのことです。その後王立音楽アカデミーで1943年まで学ぶこととなります。学生時代の1941年の春、イジー・ミュシャさん(画家アルフォンス・ミュシャの息子)に会い、翌1942年にロンドンで結婚することとなります。その後1991年にイジー・ミュシャさんが亡くなるまでずっと自分の作曲活動と並行して夫の活動などを支えられていたようです。第2次世界大戦後は夫婦でチェコに移住しますが、1960年代にはジェラルディーヌさんはスコットランドに戻り、夫とは別居しながら夫の活動の中心であった「画家アルフォンス・ミュシャの復権」を支えます。1991年の夫の死後にはプラハに定住し、故郷スコットランドは毎年夏に訪れる形になりました。死後は夫と共にプラハのヴィシェフラド墓地に埋葬されています。

 本日の曲、「エピタフ」(墓碑銘)は、『イルジー・ミュシャの思い出に』という副題がつけられています。夫の死を悼んで書かれた作品です。49年間の結婚生活の重みも感じさせられます。深い悲しみがとめどなく湧き上がってくるような雰囲気がする曲です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ミュシャ、ジェラルディーヌ:エピタフ(イルジー・ミュシャの思い出に)

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