一日一曲(552)カプラーロヴァー、ヴィーチェスラヴァ:ピアノ協奏曲ニ短調

 本日は、昨日の作曲家の夫のイジー・ミュシャさん(画家アルフォンス・ミュシャの息子で小説家、ジャーナリスト、脚本家)の最初の妻であった、チェコの作曲家、ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァーさんの曲をご紹介します。

 カプラーロヴァーさんはイジー・ミュシャさんと同年の1915年生まれです。作曲家ヴァーツラフ・カプラールさんと歌手のヴィーチェズスラヴァ・カプラロヴァーさんという音楽一家に生まれ、幼少期から天才ぶりを発揮しました。15歳でブルノ音楽院に入学し、作曲を学びます。5年後に卒業し、プラハ音楽院、そして奨学金を得てパリのエコールノルマル音楽院に留学します。留学中に代表作である「軍隊風シンフォニエッタ」を完成、彼女自身の指揮によるチェコ・フィルハーモニー管弦楽団が初演し、国際的な評価を得ます。順風満帆な船出で、さらなる活躍が期待されていましたが、1940年6月に病を得て25歳の若さでこの世を去ってしまいました。どうも、誤診(腸チフスを結核と誤診されたとのこと)の影響などもあったらしいです。同年4月にイジー・ミュシャさんと結婚したばかりでした。

 本日の曲、「ピアノ協奏曲ニ短調」はブルノ音楽院の卒業作品となった作品で、初のオーケストラ作品でもあります。若さと情熱にあふれた作品です。特に第1楽章が最高潮に盛り上がる部分、ピアノが独奏で名人芸を発揮する部分(7分52秒あたりから)がカッコいい!第1楽章は暗めの情熱ですが、短い第2楽章の後の第3楽章は明るく情熱的な音楽。この対照も魅力的です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
カプラーロヴァー、ヴィーチェスラヴァ:ピアノ協奏曲ニ短調

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