一日一曲(590)ヴァッサッロ、パオリーノ:サルヴェ・レジーナ

 本日は、没後100年(1923年1月20日没)を迎えらえたマルタの作曲家、パオリーノ・ヴァッサッロさんの曲をご紹介します。

 ヴァッサッロさんは1856年にマルタ島南東部のコスピクアで生まれました。19歳でパリに移り、王立音楽院で音楽を学びます。1885年にマルタに戻り、バレッタに音楽研究所を設立し、本格的に音楽活動を始めます。オペラ、管弦楽など幅広い分野に多くの曲を遺しています。

 「サルヴェ・レジーナ」とはカトリック教会における伝統的な祈祷文の一つで、日本のカトリック教会では「元后あわれみの母」の名で親しまれています。カトリック教会における聖務日課の「終課」で歌われる、聖母マリアのための4つのアンティフォナの一つとのことです。
 参考まで、グレゴリオ聖歌ではこんな感じです。

サルヴェ・レジーナ(グレゴリオ聖歌)

 ラテン語と日本語訳も掲載しておきます。

 Salve regina, mater misericordiae:
 vita, dulcedo, et spes nostra, salve.
 Ad te clamamus, exules, filii Hevae.
 Ad te suspiramus, gementes et flentes,
 in hac lacrimarum valle.
 Eia ergo, advocata nostra,
 illos tuos misericordes oculos ad nos converte.
 Et Jesum, benedictum fructum ventris tui.
 nobis post hoc exsilium ostende.
 O clemens: O pia:
 O dulcis virgo Maria.

 元后あわれみの母
 われらのいのち、喜び、希望。
 旅路からあなたに叫ぶエバの子。
 嘆きながら泣きながらも、涙の谷にあなたを慕う。
 われらのために執り成す方。
 あわれみの目をわれらに注ぎ、
 とうといあなたの子イエスを旅路の果てに示してください。
 おお、いつくしみ、恵みあふれる、喜びのおとめマリア。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ヴァッサッロ、パオリーノ:サルヴェ・レジーナ

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