一日一曲(613)パウエル、メル:エチュード
本日は、生誕100年(1923年2月12日生)を迎えらえたアメリカの作曲家、メル・パウエルさんの曲をご紹介します。
パウエルさんはニューヨークに生まれ、10代の頃からジャズピアニストとして活躍します。ベニー・グッドマンのために演奏や作曲・編曲を手懸けたり、映画やアニメの背景音楽の制作などにもかかわりました。テレビアニメ「トムとジェリー」の音楽作成にもかかわっていらっしゃるそうです。
1940年代の後半に筋ジストロフィーにかかり、演奏のために各地を移動するのが困難となったのをきっかけとして、パウエルさんは作曲活動に専念するようになります。当初は新古典主義的な音楽を書いていたのですが、すぐに無調音楽や十二音技法に取り組み始め、現代音楽の作曲家として活動するようになりました。1958年から1969年までイェール大学作曲科の教員に就任。同大学で「イェール大学電子音楽研究所(the Yale Electronic Music Studio)」の創設にもたずさわりました。その後、1969年にカリフォルニア州に転居し、カリフォルニア芸術大学の教員に就任、1998年に逝去する直前まで同大学で教鞭を取り、作曲活動を続けられたそうです。
本日の曲、「エチュード」は1957年、パウエルさん34歳の時に書かれたピアノ曲です。本曲は、「現代音楽」ですね。「エチュード」というと、文字通り何らかの練習目的で書かれていることが多いですから、本曲もそうではないかと思いますが、何の練習のためなのか、という部分、興味深いところです。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
パウエル、メル:エチュード