一日一曲(622)フランケル、ベンジャミン:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番
本日は、没後50年(1973年2月12日没)を迎えらえたイギリスの作曲家、ベンジャミン・フランケルさんの曲をご紹介します。
フランケルさんは1906年にロンドンで生まれ、幼いころからヴァイオリンを学び始めました。幼少期から才能を発揮し、16歳の時には奨学金を受けながらジャズのヴァイオリン奏者・ピアニスト・編曲家としても活躍されていたそうです。
1930年代の初めにはロンドンで編曲者・音楽監督として活躍。映画音楽も多数作曲されていらっしゃいます。クラシック音楽の作曲家としての名声が高まったのは、第2次世界大戦後のことだそうで、ホロコーストで殺害されたユダヤ人をモチーフに作曲した
『ヴァイオリン協奏曲「600万人の思い出に」』をはじめとして、5つの弦楽四重奏曲、8つの交響曲、いくつかの協奏曲など幅広いジャンルで作品を遺されています。1973年に交響曲第9番の作曲途中にロンドンで亡くなられたそうです。
本日の曲、「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番」はベンジャミンさんの作品の中でもっとも有名で演奏される機会も多い曲とのことです。1946年、大戦終了後の翌年、作曲者40歳の時に書かれた作品です。
やや物悲しいメロディで始まり、徐々に感情が高まっていく第1楽章が本曲の中心です。曲の演奏時間(約15分)の半分を占めています。パガニーニに代表されるような、曲芸的な超絶技巧は本曲ではあまり使われていません。心の内に沁み込むような「思い」が聴き手の感動を呼び覚まします。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
フランケル、ベンジャミン:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番