一日一曲(628)カラビス、ヴィクトル:チェンバロ協奏曲

 本日は、生誕100年(1923年2月27日生)を迎えらえたチェコの作曲家、ヴィクトル・カラビスさんの曲をご紹介します。

 チェコ北部のチェルヴェニー・コステレツで生まれたカラビスさんは、幼い頃から音楽に興味を持っていましたが、第二次世界大戦中にナチスがプラハを占領したため、当初プラハで音楽を学ぶことができませんでした。終戦後にカラビスさんはプラハ音楽院、音楽アカデミー、カレル大学で学ぶこととなります。
 1952年、カラビスさんは有名なチェンバロ奏者となったズザナ・ルージチコヴァーさんと結婚しました。両者とも共産党への参加を拒否したので、お二方はかなり苦労されたそうです。最終的に、カラビスさんはプラハラジオの子供向け音楽部門に就職し、何とか生計をたてられたとのことです。
 1957年あたりから次第に作品が認められるようになり、1969年には国家賞を受賞されています。交響曲、協奏曲、室内楽曲など幅広いジャンルで沢山の作品を遺されています。2006年に83歳で亡くなられました。

 本日の曲は「チェンバロ協奏曲」。もちろん、チェンバリストであるパートナーのために作られた作品でしょう。1975年、作曲者52歳の時の作品です。3楽章形式で演奏時間は約30分、比較的大きな曲です。全体的に暗めのトーンですが、政治的な影響などもあるのかもしれません。

 本日は作曲者の指揮、妻のチェンバロ独奏でどうぞ。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
カラビス、ヴィクトル:チェンバロ協奏曲(指揮作曲者、チェンバロ妻)

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