一日一曲(635)カルコシュカ、エアハルト:「Celan Gedichten III」による変奏曲
本日は、生誕100年(1923年3月6日生)を迎えらえたドイツの作曲家兼音楽学者兼ヴァイオリニスト、エアハルト・カルコシュカさんの曲をご紹介します。
カルコシュカさんはドイツ人ですが、生まれは現在チェコ領のシレジア地方オストラヴァとのことです。当初はヴァイオリンを学んでいてバイロイト祝祭劇場でも演奏したことがあるそうですが、作曲と指揮に軸足を移し勉学を続けることとなりました。1948年以降は母校のシュトゥットガルトで教鞭をとり、1962年には現代音楽専門のアンサンブル(後年にはコンタック・アンサンブルと改名)を設立。1973年には電子音楽スタジオを設立し、指導者兼主任教授として活躍されました。
写真がかなりお嫌いだったようです。電子音楽をはじめ、管弦楽曲・室内楽・声楽曲や宗教音楽など幅広いジャンルで作品を遺されています。人智学と現代音楽との融合なども目指したとのことで、音楽分野にとどまらず広い分野で活躍されていたようです。
本日の曲は、チェコの詩人、パウル・ツェラン(Paul Celan)さんの2つの詩に曲がつけられた合唱曲です。
タイトルを直訳しますと、以下のようになります。
第1曲:彼女は髪を梳く「子守唄」
第2曲:フランソワの碑文
第2曲は、1953年10月に生まれ、亡くなったツェランさんの息子のフランソワのために書かれた詩です。
どちらの曲も独特の透明感を感じる曲です。語るような歌い方、高音域を含んだ複雑な和声、歌詞の意味はよく分かりませんが、直接心を揺さぶられるような心地になります。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
カルコシュカ、エアハルト:「Celan Gedichten III」による変奏曲