一日一曲(646)マクミラン、アーネスト:アカデミックな行列

 本日は、没後50年(1973年3月17日没)を迎えらえたカナダの指揮者兼作曲家、アーネスト・マクミランさんの曲をご紹介します。

 マクミランさんは1893年にカナダのオンタリオ州トロント近郊のミミコに生まれました。お父様は牧師さんだったそうです。幼少期から神童として知られ、10歳でオルガンのリサイタルを開いたそうです。学生時代にはトロントのノックス教会のオルガニストも務められていたそうです。1914年からパリに留学してピアノを学び、バイロイト音楽祭を訪れたところ、第一次世界大戦が勃発し、捕らえられたマクミランさんは、ベルリン近郊のルーレーベン収容所に送らました。この収容所内で自作のレヴューや有名なオペレッタの上演を監督し、指揮者としての素養を磨かれたそうです。1918年には、収容所内で書かれた作品が音楽博士号取得申請作品としてオックスフォード大学に提出され、学位が送られることとなりました。
 大戦後、1919年から1925年までトロントのティモシー・イートン・メモリアル教会のオルガニストと聖歌隊長を務め、1920年からはカナダ音楽アカデミーの教授職も兼任されています。
 1931年からトロント交響楽団の首席指揮者を務め、このオーケストラをパートタイム雇用の寄せ集め的なものからプロフェッショナルなものへと変貌させ、1956年にはアメリカ演奏旅行を実現させています。1942年から1957年までは、トロント・メンデルスゾーン合唱団の合唱指揮者も務めています。さらに室内楽分野ではカナダ三重奏団を結成(担当:ピアノ)して活躍されるなど、幅広い活動を行っています。
 1935年にイギリスからナイトの叙勲を受けていらっしゃいます。指揮者としては遅めの店舗を好んでいたこともあり、叙勲と掛け合わせて「ラルゴ卿」とも呼ばれていたそうです。

 本日の曲は、オルガン独奏曲です。1953年、マクミランさん60歳の時の作品です。恐らく本人用に作られて初演もご本人なのだろうと推測していますが・・・残念ながら自作自演版はNMLにはありませんでした。
 華やかなファンファーレと対照的に穏やかなメロディとが絶妙のバランスを醸し出しています。演奏者としても、聴かせどころ満載で、「腕が鳴る」曲ではないでしょうか。オルガンを知り尽くしたマクミランさんの独壇場といった感じです。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
マクミラン、アーネスト:アカデミックな行列

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