一日一曲(694)チェレプニン、アレクサンドル:ピアノソナタ第1番
本日は、昨日ご紹介したニコライ・チェレプニンさんの御子息であるアレクサンドル・チェレプニンさんの曲をご紹介します。
アレクサンドル・チェレプニンさんは1899年にサンクトペテルブルクで生まれました(父ニコライさんは26歳)。5歳の時より父から音楽を教わります。父の交友関係やお弟子さんなど、沢山の音楽家がチェレプニン家を訪れましたが、そのような環境の中、アレクサンドルさんは音楽的才能を自由に伸ばしていきます。特に、父の弟子のひとりであったプロコフィエフさんからは多大な影響を受けたt歩のことです。早熟な才能は開花し、10代後半の時には既に数百の小品と13曲のピアノ・ソナタを書いていたそうです。
1917年、父が教授をしているペテルブルク音楽院に入学しますが、翌年勃発したロシア革命の影響で、一家はトビリシに移住、その後1921年にはパリに亡命することとなります。当時のフランスの音楽家と親交を結びつつ、本格的に作曲家及びピアニストとして活動を開始します。
日本とも関係が深く、1934年から1937年にかけてのアジア訪問(この時アレクサンドルさんは上海に住まれていたそうです)の中では、日本の若手作曲家の指導と育成に当たられたほか、「チェレプニン・コレクション」として当時の日本・中国の若手作曲家たちの作品を出版されたそうです。また、アジアの若手作曲家の発掘を目的とした「チェレプニン賞」を創設しています。
「チェレプニン音階」と呼ばれる9音音階(C、D♭、 E♭、E、F、G、A♭、A、B)の発明者でもあり、独創的な作風の作品を数多く残されていらっしゃいます。
本日の曲、「ピアノソナタ第1番」は、1918年の作品。それまでに結構な数のピアノソナタを作っていらしたようですが、自信をもって遺せる曲として、本曲を「第1番」としたのでしょう。作曲家としての原点を示す作品と言えるかもしれません。
個人的には、ミニマルミュージックの先駆けともいえるような音楽の第2楽章が印象に残っています。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
チェレプニン、アレクサンドル:ピアノソナタ第1番