一日一曲(725)ロックバーグ、ジョージ:カプリース変奏曲(特集:2/61)
パガニーニ奇想曲第24番特集その2です。
まずはパガニーニと同じく、ヴァイオリン独奏の曲を吸う曲紹介します。
作曲者のジョージ・ロックバーグさんは、1918年にアメリカのニュージャージー州パターソンで生まれました。マネス音楽大学(マンズ音楽大学)で学んだあと、1968年までペンシルベニア大学音楽学部主任教授を務め、その後も1983年まで教壇で後進の指導に当たられました。
当初は12音音楽などの「現代音楽」を中心に書かれていらしたようですが、1963年、息子さんの死を機に音列技法と決別し、調性的な音楽を書くようになりました。「セリエル(音列技法)は情緒豊かな表現力に欠けており、悲しみや憤りを表現するに似つかわしくない」、と述べていらっしゃいます。また、無調性を抽象画に、調性を具象画になぞらえ、自らの芸術的な足跡については「具象性と抽象性との緊張感」が自分達の原理となっていると語られています。
「カプリース変奏曲」は51曲からなる大曲で、演奏時間は90分にもなります。最後の第51番は、ほぼほぼ原曲そのままですが、その他は原型が分からないくらい変形されているものや、他の曲からの引用などもあり、複雑精緻に作り込まれています。
短いテーマを基に、これほどまでに豊かな想像力を駆使して作られた本作品は、パガニーニ奇想曲第24番を基にした数多の作品の中でも群を抜いているでしょう。
ヴァイオリンの妙技と共に、様々な変奏をお楽しみください。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ロックバーグ、ジョージ:カプリース変奏曲
1918 nen