一日一曲(776)スクロヴァチェフスキ、スタニスラフ:コンチェルト・ニコロ(特集:52/61)
パガニーニ奇想曲第24番特集その52です。本日は左手のためのピアノ協奏曲です。
作曲者のスタニスラフ・スクロヴァチェフスキさんは、1923年生まれのポーランドの指揮者兼作曲家です。当初はピアニストが志望だったのですが、1941年にドイツ軍の空襲で手を負傷し、指揮と作曲に専念するようになられたとのことです。日本では、2007年4月から2010年3月にかけて読売日本交響楽団第8代常任指揮者を務められており、、2010年4月には読売日本交響楽団桂冠名誉指揮者となられています。
曲名の「ニコロ」は、勿論テーマの作曲者のことですね。本曲ではカプリース第24番のテーマがそれとはっきりわかる形で表れるのが3分14秒あたりからで、その後も時折現れます。カプリース第24番のテーマを引用しつつ、自由に作曲されたピアノ協奏曲ということになるかと思います。少々「現代音楽」的な響きがするので、とっつきにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
本曲は、ピアニストのゲイリー・グラフマンさんの委嘱で書かれました。グラフマンさんは1928年生まれのアメリカのピアニストで、1979年に右手を故障、以後いろいろな作曲家に左手のための作品を委嘱しました。本曲もその中の1曲ということになります。
作曲者自身の指揮、委嘱者のピアノでどうぞ。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
スクロヴァチェフスキ、スタニスラフ:コンチェルト・ニコロ