一日一曲(855)フィゲーロア、ルイス・カルロス:ピアノ協奏曲イ短調
本日は、生誕100年(1923年10月12日生)を迎えらえたコロンビアの作曲家、ルイス・カルロス・フィゲーロアさんの曲をご紹介します。
フィゲーロアさんはコロンビア西部の街サンティアゴ・デ・カリで生まれました。独学でピアノを弾き始め、4歳の時にコロンビアの人気曲をピアノで弾いていたそうです。地元コロンビアで学んだ後、1950年に、カリ市政府の援助を受けてフランスのパリに渡り、エコール・セザール・フランク国立高等音楽院および国立高等音楽院で学びを深めました。1959年にコロンビアに戻り、故郷の音楽院、1960年から1975年まで音楽院管弦楽団およびパレストリーナ合唱団の院長に任命され、活躍されました。作品は広範囲にわたり、さまざまなジャンル (声楽、合唱、ソロ楽器、室内楽、交響曲、協奏曲) で多くの曲を遺されています。まだ存命中ではないかと思います。100歳を超える長寿となりました。
本日の曲は1986年、フィゲーロアさん63歳の時の作品です。伝統的な3楽章形式で書かれている協奏曲です。
勇壮な第1楽章の第1主題で始まりますが、第2主題は一転して静かで神秘的な雰囲気になります。この2つの主題の対比が抜群です。第2楽章は管楽器の息の長いメロディで幕が開かれます。続いてピアノが分散和音で登場し、これがいきなり独奏となります。独奏部分が一段落すると、田園風の楽し気なメロディが始まります。盛り上がった後はもう一度第2楽章の最初の雰囲気に戻ります。第3楽章は楽しい踊りの音楽。これがコロンビアのノリなのかも知れません。
本曲ももっと有名でもおかしくない曲ではないかと思います。演奏家に恵まれれば、あるいは大当たりする日も来るかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
フィゲーロア、ルイス・カルロス:ピアノ協奏曲イ短調