一日一曲(930)アーベル、カール・フリードリヒ:前奏曲

 本日は、生誕300年(1923年12月22日生)を迎えらえたドイツの作曲家兼ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、カール・フリードリヒ・アーベルさんの曲をご紹介します。

 アーベルさんはアンハルト=ケーテン公国(当時)のケーテンに生まれました。父親は大作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハが楽長を務めていた時のケーテン宮廷楽団の首席ヴィオラ・ダ・ガンバおよびチェロ奏者でしたので、ごく自然に音楽の道に進むことになりました。1748年には、バッハさんの推薦で、ドレスデンのヨハン・アドルフ・ハッセの宮廷楽団に入ることができ、そこに10年間活躍します。その後1759年にイギリスに渡り、シャーロット王妃お抱えの室内楽奏者となりました。1762年、バッハさんの11番目の息子、ヨハン・クリスティアン・バッハさんとロンドンで合流、っ友情をはぐくみます。1764年から1765年にかけて二人は「バッハ=アーベル・コンサート」を企画し、成功を収めました。晩年はコンサート会場の運営なども手掛けますがうまくいかず、次第に酒に溺れるようになってしまい、1787年に63歳でロンドンで亡くなられました
 あのモーツァルトさんは子供の頃にアーベルさんの曲を勉強のため筆写していたとの逸話も残っています。

 本日は、お得意のヴィオラ・ダ・ガンバのための小品です。アルペジオを主体とした本曲は、演奏効果抜群だったでしょう。アンコールなどで多用されていたのではないかと推測しています。颯爽と弾き切り、ドヤ顔でお辞儀をするアーベルさんの姿が見えるようです。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
アーベル、カール・フリードリヒ:前奏曲

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