一日一曲(933)キラール、ヴォイチェフ:ピアノ協奏曲
本日は、没後10年(2013年12月29日没)を迎えらえたポーランドの作曲家、ヴォイチェフ・キラールさんの曲をご紹介します。
キラールさんは1932年にルヴフ(現:ウクライナ・リヴィウ)で生まれ、カトヴィツェで音楽を学んだ後、パリに留学、大作曲家ナディア・ブーランジェさんの薫陶を受けました。クシシュトフ・ペンデレツキさんやヘンリク・グレツキさんらとともに1960年代ポーランドのアバンギャルド運動に参加し、広く活動されました。1970年代中盤以降は映画音楽の作曲家としても知られるようになりました。ロマン・ポランスキー監督の傑作「戦場のピアニスト」(2002年)の音楽を担当されていらっしゃいます。
本日の曲はピアノ協奏曲。1997年、作曲者65歳の時の作品です。映画音楽がお得意だったということもあるのでしょうか、ミニマル風の第1楽章は映画の出だしのような雰囲気を持っています。静謐な第2楽章も魅力的です。前の2つの楽章とは打って変わって荒々しい第3楽章は「わかりやすい」という評もありますが、好みも分かれるところでしょう。ピアノ協奏曲というより、ピアノを含んだ管弦楽作品といったほうがしっくりくるように思うのですが、わざわざピアノを主役に持ってきたところは、作曲者のこだわりなどがあるのかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
キラール、ヴォイチェフ:ピアノ協奏曲