一日一曲(1077)パリス、ロバート:Book of Imaginary Beings I
本日は、生誕100年(1924年5月21日生)を迎えらえたアメリカの作曲家、ロバート・パリスさんの曲をご紹介します。
ロバート・パリス(Robert Parris、1924年5月21日、ペンシルベニア州フィラデルフィア – 1999年12月5日、ワシントンD.C.)は、作曲家、音楽教授。(注1)
パリスさんはフィラデルフィアで生まれ、ペンシルベニア大学、その後ニューヨークのジュリアード音楽院に進学し、音楽を学びました。その後、パリのフルブライト・フェローシップで1年間勉強し、シアトルのワシントン大学で1年間教鞭をとった後、1952年にワシントンD.C.に定住し、活動されました。1963年にはジョージ・ワシントン大学の教授陣に加わり、音楽理論と作曲を教えました。60年代から70年代にかけては、ワシントン・ポスト紙やワシントン・イブニング・スター紙の音楽評論も担当されています。1999年に75歳で逝去されました。
本日の曲は、「Book of Imaginary Beings I」です。フルート、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、チェレステ、パーカッションのための作品で、NMLlでは「幻獣辞典第1巻」と訳されています。『想像上の存在の書(第I部)』とも訳されているようです。本曲は1972年、作曲者48歳の時の作品です。その11年後に第2巻を作曲されているようです。
8曲で構成された組曲形式です。面白いのは、第1曲と最終曲の関係で、第1曲を反転させると最終曲になっているようです。反転、つまり、楽譜をお終いから逆に演奏するような感じです。完全に逆からの演奏で成立しているわけではないと聴こえるのですが、楽譜を見て確認してみたいところです。また、第6曲「The Double」は、何だか聴いたことがあるメロディがバックに流れているなあ、とおもっていたら、なんと、サンサーンスの「白鳥」の演奏にヴァイオリンやフルート、打楽器などがいろいろな音を上乗せされる形で作られていました。解説がなかったのでこのくらいしか気が付いていませんが、他の曲も色々と「仕掛け」があるのかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
パリス、ロバート:Book of Imaginary Beings I