一日一曲(1089)カプースチン:ホイール・オブ・フォーチュン
本日はカプースチンさんの月命日ということで、カプースチンさんの作品をご紹介します。本日はピアノ曲「ホイール・オブ・フォーチュン」です。
タロットに関心のある方でしたら、大アルカナの10番目のカードを思い浮かべるかもしれませんね。このカードのキーワードとしては、「急展開」「予想外」「流れに乗る」といったものがあるようですから、拍子が目まぐるしく変わる本曲の特徴とピッタリしているようにも思えます。カプースチンさんはタロットの素養もあったのでしょうかね?
曲は約3分、109小節の短い曲です。ソナタ形式で書かれていて、8分の7拍子(2+2+3)の中に時折4分の4拍子(=8/8)が織り交ぜらているという、かなり複雑なリズムを刻んでいます。第1主題は時の流れが途中ギクシャクとねじれているような感じできびきびとしまして、それと対照的に流れるようなメロディが中心(それでもリズムは複雑)の第2主題とが目まぐるしく交錯します。中間部は4分の4拍子が優勢となり、一定のリズムに乗ってきたかと思う間もなく、複雑なリズムが戻ってきます。途中、8分の6拍子と8分の9拍子と4分の3拍子(=6/8)がそれぞれ1小節ずつ現れます。演奏はかなり難しいでしょう。リズムを正確に刻むだけでも大変なところに加えて、超絶技巧が随所に盛り込まれています。
演奏はカプースチンさんの友人の日本人ピアニスト、川上昌裕さんです。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
カプースチン:ホイール・オブ・フォーチュン