一日一曲(1106)ラハナー 、ヴィンツェンツ:前奏曲とトッカータ
本日は、ラハナー兄弟特集の4日目、最終日です。本日は1811年生まれの末弟、ヴィンツェンツ・ラハナーさんの曲をご紹介します。
ヴィンツェンツ・ラハナーさんは最初はオルガニストの父親から、その後はアウグスブルグで音楽教育を受けましたが、作曲に関してはほぼ独学だったとのことです。キャリアの最初はアウグスブルクで音楽を教えることから始まりました。そこから兄のフランツがの紹介でポーゼン大公国のコスケヴィッツ伯爵ミシェルスキの指揮者兼ハウスミュージシャンに就任し、活動の幅を広げられています。1831年、音楽の訓練を続けるためにウィーンに移り、宮廷歌劇場の副指揮者、プロテスタント教会のオルガニストに就任しています。1836年、兄フランツの後任としてマンハイムの宮廷指揮者就任、そこから37年間マンハイムに滞在し、その職にあたられています。職務の合間を縫ってヨーロッパ各地で指揮活動も旺盛に行いました。保守的な嗜好を持っていたヴィンツェンツ・ラハナーさんは、リヒャルト・ワーグナー崇拝に対して公然と反対しており、ワーグナーさんとはあまり仲がよろしくなかったようです。1873年に宮廷指揮者を引退し、その後はカールスルーエに定住し、音楽教育活動を行ったそうです。1893年1月、81歳で亡くなられました。
本日の曲はピアノ独奏曲「前奏曲とトッカータ」です。1876年、作曲者65歳の時の作品です。指揮活動などから引退してからの作品ということになります。ベートーヴェンを思わせる、重厚なメロディが印象的です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます
ラハナー 、ヴィンツェンツ:前奏曲とトッカータ