一日一曲(1114)プーランク、フランシス:ヴァイオリンソナタ
本日から、昨日までご紹介したミヨーさんが所属していた「フランス六人組」のメンバーのご紹介をいたします。本日はフランシス・プーランクさんです。
プーランクさんは1899年にパリで生まれました。フランス6人組の中ではオーリックと同年生まれで最年少(誕生月はオーリックの方が遅い)にあたります。
フランス六人組は、当初、サティを中心に集まっていたプーランク以外の5名にプーランクが合流する形で生まれました。きっかけとなったのは1917年に声楽家のジャーヌ・バトリが企画した、この6人の作曲家たちの作品を上演するコンサートだったとのことです。
ミヨー特集の時にヴァイオリンソナタをご消化したので、プーランクさんについてもヴァイオリンソナタをご紹介することにいたしましょう。
プーランクさんは「ヴァイオリンは苦手」と語っており、ヴァイオリンを主役とした曲はあまり遺されていらっしゃいません。1943年、作曲者44歳の時に作られた本作品は、ある意味貴重な作品と言えるでしょう。今日ではフランス六人組の各メンバーが作曲したヴァイオリンソナタの中では、一番有名かつ演奏機会の多い作品となっています。
スペインの詩人ガルシア・ロルカを追悼して書かれた曲で、楽譜の献辞に「フェデリコ・ガルシア・ロルカの思い出に」と書かれています。また、第2楽章の冒頭にはロルカの詩「六本の弦」の冒頭の一節「ギターが夢たちを泣かせる」が書き込まれています。
ロルカはスペイン内戦の中、1936年に惨殺されてしまいましたが、第3楽章の宗教間近の部分では、その最期のシーンを描写したと思われる部分が出てきます(第3楽章の3分31秒あたりから。ピアノの低音が銃声のように聴こえます)。第2楽章は、ヴァイオリンがギターのようにメロディを奏でます。
プーランクさんの作品はメロディが質・量ともに充実しているのですが、本曲でもその特徴が表れています。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
プーランク、フランシス:ヴァイオリンソナタ