一日一曲(1115)オネゲル、アルテュール:ヴァイオリンソナタ第2番

 本日もフランス六人組のメンバーをご紹介します。三人目はアルテュール・オネゲルさんです。
 オネゲルさんは1892年にフランス北西部の大西洋に臨む港湾に位置する都市、ルアーブルでスイス人の両親のもとに生まれました。オネゲルさんとタイユフェールさん、ミヨーさんは同年生まれで、パリ音楽院の同窓生でした。特にミヨーさんとは生涯の親友だったそうです。フランス六人組の他のメンバーはワーグナー嫌いでしたが、オネゲルさんはワーグナーの音楽に新機関を持たれていたそうです。その点、他のメンバーとは少し距離を保たれていたようです。

 オネゲルさんは生涯でヴァイオリンの曲を4曲書かれています。作曲順に作品番号なしのソナタ、第1番、第2番、無伴奏ソナタです。オネゲルさんはヴァイオリンが得意で、ヴァイオリンソナタの第1番と第2番は自身とピアニストの妻(アンドレ・ヴォラブール)で初演されています。本日はその中から第2番をご紹介します。
 本曲は1919年、作曲者27歳の時に書かれました。フランスの大作曲家、ラヴェルは本曲に関してこう語っていたと、オネゲル本人がこう語られています。「彼は第2ソナタを妙に感じたようです。第1楽章は嫌っていましたが、後の2楽章はとても気に入っていました」
 ラヴェルさんは気に入らなかったようですが、第1楽章もなかなか魅力的です。少し和声が複雑なので、初見では少々奇妙に感じるかもしれませんが、何回か聴いているとだんだんとしっくりときます。かえって第2楽章の方がちょっとおどろおどろしい表現もあり、とっつきにくいように感じます。激しい動きのなかにユーモラスさも感じられる第3楽章で幕。演奏時間は約12分。ヴァイオリンソナタとしては短い方に入ります。演奏される機会が少ない曲ですが、もっと評価されてしかるべき曲と感じます。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
オネゲル、アルテュール:ヴァイオリンソナタ第2番

オネゲル、アルテュール:ヴァイオリンソナタ第2番(CD)

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