一日一曲(1124)バラブ、シーモア:トランペット、アルト・サクソフォンとピアノのための組曲
本日は、没後10年(2014年6月28日没)を迎えらえたアメリカの作曲家兼チェリスト兼オルガニスト兼ピアニスト、シーモア・バラブさんの曲をご紹介します。
バラブさんは1921年にイリノイ州シカゴでポーランドからの移民の子として生まれました。両親は別々に移住し、アメリカで出会ったとのことです。家族は質素な暮らしだったとのことですが、文化を重要視していたことから、バラブさんは幼い頃からピアノのレッスンを受けていたそうです。13歳の時に、叔母が通っていたスピリチュアル・ヒーリング教会のオルガニストとなりました。これがバラブさんの最初の音楽活動となりました。1935年にシカゴのレーンテック高校に入学したときにチェロを学び始めましたが、これは偶然の出会いだったようです。「オーケストラはたまたまチェロを必要としていた。もしフレンチホルン奏者を必要としていたら、私はフレンチホルン奏者になっていたでしょう」と、後年バラブさんは語っています。高校卒業後、インディアナポリス交響楽団のチェロ奏者として最初のプロとしてのキャリアを開始しました。その後、クリーブランド、フィラデルフィア、サンフランシスコ、オレゴン州ポートランドなど、全米各地の都市でオーケストラのポジションを獲得しています。第二次世界大戦中は音楽家として海軍に入隊し、フィラデルフィア海軍工廠に駐屯し、そこでクラリネットの演奏を学び、軍楽隊で演奏しました。戦後、1950年から1951年までフランスのパリで過ごし、そこで作曲のための自身の才能を探求しました。この1年だけで、200曲以上の楽曲などを制作したとのことです。パリから帰国後、ノースカロライナ州のブラック・マウンテン・カレッジでチェロの助教授のに就任、後進の指導でも活躍されました。その後、ラトガース大学で作曲の教授の職に就くことにもなりました。作曲活動は晩年まで続けられ、2014年にマンハッタンで93歳で亡くなられました。
本日の曲は「トランペット、アルト・サクソフォンとピアノのための組曲」です。ちょっと珍しい編成です。5曲からなる組曲で演奏時間は約13分の比較的小さな作品です。バラブさんの作品はメロディが美しく、とても聴きやすいのが特徴です。特に印象に残ったのは3曲目。5拍子というちょっと風変わりな拍子で書かれた、愉快な曲です。
バラブさんのオフィシャルサイトがありましたので、リンクを張っておきます。
「The Music of Seymour Barab」
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
バラブ、シーモア:トランペット、アルト・サクソフォンとピアノのための組曲