一日一曲(1128)デュリュフレ、モーリス:アランの名による前奏曲とフーガ

 本日は、昨日ご紹介した作曲家兼オルガニストの弟子であったフランスのオルガニスト兼作曲家、モーリス・デュリュフレさんの曲をご紹介します。

 デュリュフレさんは1902年にベルギー西部の街ルヴィエールで生まれました。少年時代にルーアンにあるルーアン大聖堂の聖歌隊員を務め、聖堂の附属学校でピアノとオルガン演奏を学びました。17歳でパリに行き、オルガン演奏の研鑽を重ね、18歳でパリ音楽院に入学、作曲とオルガンを極めることとなりました。1927年にノートルダム大聖堂でルイ・ヴィエルヌの助手となりました。即興演奏が得意だったヴィエルヌの行った即興を後で採譜する役割なども務められています。師ヴィエルヌが演奏中に亡くなられた演奏の際に、オルガンストップ操作などの助手を間近で務められていたのがデュリュフレさんでした。ヴィエルヌはノートルダムの後任演奏家にデュリュフレさんを推薦していましたが、その望みは叶うことはありませんでした。1929年にオルガン演奏と即興演奏に対して、「パリ・オルガンの友」賞を授与され、サンテティエンヌ=デュ=モン教会のオルガニストに就任、ここを拠点に長期間にわたって活躍されました。晩年の1975年にマリー=マドレーヌ夫人と共に自動車事故に遭い、二人とも一命は取り留めたのですが、オルガン演奏活動を行うことができないからだとなってしまいました。1986年にパリ郊外ルーヴシエンヌで84歳で亡くなられました。作曲家としては遺した曲の数は少なく、出版された作品は最も有名な《レクイエム》を含めて全部で14曲しかありません。

 本日の曲は、1940年に戦死した作曲家兼オルガニストであり、盟友でもあったジャン・アランを追悼して書かれた作品です。題名にあるように、前奏曲とフーガの2曲から構成されています。前奏曲ではアランのオルガン曲「連祷(れんとう)」のメロディが引用されています。フーガでは、アランの綴り「Alain」を音名「ADAAF = ラレララファ」と置き換えた音列がテーマに使用されています。数少ない作曲の中の1曲として本曲が残っているということからも、デュリュフレさんのジャン・アランに対する思いの深さが分かります。

 演奏はアランの妹のオルガニスト、マリー=クレール・アランです。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
デュリュフレ、モーリス:アランの名による前奏曲とフーガ

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