一日一曲(1147)クニッペル、レフ:交響曲第4番「コムソモール戦士の詩」

 本日は、没後50年(1974年7月30日没)を迎えらえたソ連の作曲家、レフ・クニッペルさんの曲をご紹介します。

 クニッペルさんは1898年に現在のグルジアの首都トビリシで生まれました。演劇人の家系にうまれたそうで、おばは女優でチェーホフ夫人のオリガ・クニッペルでした。グネーシン音楽学校で作曲などを勉強しました。その後ドイツにも留学されています。ロシア内戦の間は白軍に加わったそうです。その関係なのか、ソヴィエト人民委員会付属国家政治局(GPU、秘密警察)の間諜の仕事も担当していたとのことです。ただ、その後の人生の中でクニッペルさんが同僚の作曲家や音楽家を告発したという証拠はない、とのことです。皮肉なことに、そういう立場にいながらも、1948年にアンドレイ・ジダーノフとフレンニコフによる「形式主義批判」の槍玉に挙げられたとのことです。かなりの多作家であったそうで、5つの歌劇や20の交響曲のほか、バレエ音楽、ピアノ曲、映画音楽を遺されていらっしゃいます。中央アジア諸国や北カフカスの民族音楽を研究し、トルクメンやキルギス、タジクの民謡の編曲にも携わりました。作風は、ドイツ留学を経て書かれた初期作品はバルトークやヒンデミットの影響を受けた、当時としては最先端のモダニストでしたが、スターリンが政権を執ると伝統に回帰し、社会主義リアリズムへと変化しました。

 本日の曲は《交響曲第4番「コムソモール戦士の唄」》です。第1楽章第2主題がのちに独立して軍歌として歌われるようになったことで、本曲は有名になりました。この軍歌「ポーリュシカ・ポーレ」は、ロシア内戦における赤軍の活躍を歌ったもので、赤軍合唱団の歌唱により世界的に知られるようになりました。
1933年、作曲者35歳の時に作曲され、1934年にモスクワにて初演されました。作曲者晩年の1964年に改訂されています。
 4楽章形式で演奏時間は30分を超える大曲です。全楽章に「ポーリュシカ・ポーレ」が現れます。このメロディ、どこかで聴いたことがあるように思ったのですが、調べてみると日本では1971年のTBS系テレビドラマ『冬の雲』の挿入歌として使われたそうです。さらに1998年には同じくTBS系テレビドラマの『青の時代』のオープニングテーマに使われているそうです。
 なお、最初に出てくるテーマ(第1楽章の第1主題)は、作曲者自身が「人生の主題」と呼んでいたとのことです。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
クニッペル、レフ:交響曲第4番「コムソモール戦士の詩」

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