一日一曲(1159)フォースマン、ジョン・ヴァイノ:ピアノソナタ第4番
本日は、生誕100年(1924年8月11日生)を迎えらえたフィンランドの作曲家、ジョン・ヴァイノ・フォースマンさんの曲をご紹介します。まだ存命かもしれません。存命中だとすると、本日がちょうど100歳の誕生日ということになります。おめでとうございます!
フォースマンさんはフィンランド南部の街のハメーンリンナで生まれました。この街はフィンランドの誇る大作曲家、ジャン・シベリウスの生まれ故郷でもあります。ただ、フォースマンさんはシベリウスとは直接会う機会はなかったそうです。フィンランド人の父とデンマーク人の母のもとに生まれました。登園には音楽家もいらっしゃるようです。幼い頃からピアノに親しみ、13歳で作曲していたとのことです。少年時代から戦争に駆り出されていたとのことで、19歳の時の2回目の召集の時には無視してレジスタンスの方に参加されたとのことです。戦後はコペンハーゲンのデンマーク王立音楽院で本格的に音楽の勉強を始められました。卒業後は作曲家、ピアニスト、ジャーナリストとして活躍されました。1954年にウィーンに移り、その後1957年に渡米、奨学金を得てサンフランシスコやロサンゼルスなどの都市を訪れた際 (1957-59 年)、フォルスマンはメキシコの生物学者で研究者のマリア チャベスと出会い、1958年にメキシコで結婚、永住することになりました。5~10歳の子供向けの音楽学校、コレヒオ・デ・ニーノス・ラファイエットを設立し、1961年から1971年まで運営されました。さまざまな理由から音楽学校は1973年をもって閉鎖、以降はメキシコシティの技術大学の音楽コンサルタントとして働きました。
本日の曲は1954年、30歳の時に書かれたピアノソナタ第4番です。フォースマンさんはピアノソナタを5曲書かれていて、第3番の評価が高いようですが、個人的には第4番が印象に残りました。静かな部分の瞑想的で心に沁みいるメロディと、プロコフィエフばりの激しい部分のの対比が絶妙です。伝統的な3楽章形式で書かれていまして、第3楽章には第1楽章で使われたメロディが再度用いられる「循環形式」が採用されています。一度聴いたら耳に残ります。プロコフィエフのソナタ代わりに本曲を鑑賞するのも面白いでしょう。こちらの方が気に入る方もあるいはいらっしゃるかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
フォースマン、ジョン・ヴァイノ:ピアノソナタ第4番