一日一曲(1185)ブルックナー、アントン:弦楽五重奏曲ヘ長調
本日は、生誕200年(1824年9月4日生)を迎えらえたオーストリアの作曲家、アントン・ブルックナーさん特集の3回目です。
1875年からウィーン大学で音楽理論の講義を始めることとなりました。ただ、最初のうちは無給で名ばかり職でした。しばらくの間の踏ん張りどころを超え、1880年頃になるとブルックナーさんの地位も安定し始め、無給だったウィーン大学の講義に十分な俸給が支払われるようになった他、他の多くの教授職、さまざまな協会の名誉会員の仕事により年間2000グルデン(当時の平均的な4人家族の収入が700グルデン)の収入が得られるようになりました。作曲活動の方も充実しており、この頃の代表作には『弦楽五重奏曲ヘ長調』(1879年)『交響曲第6番イ長調』(1881年)『テ・デウム』(1881年)『交響曲第7番ホ長調』(1883年)など、傑作が目白押しとなっています。
本日の曲は、『弦楽五重奏曲ヘ長調』です。ブルックナーさんは生涯において2曲の室内楽曲をさっきょくしています。死後10年後に発見された弦楽四重奏曲ハ短調と本曲ですが、前者は習作として書かれたようで、今日でもあまり演奏機会には恵まれていません。一方、『弦楽五重奏曲ヘ長調』はブルックナーさんの傑作の一つとして演奏機会が多い曲となっています。当時ウィーンで著名なヴァイオリニスト兼指揮者であった、ヨーゼフ・ヘルメスベルガー(1世)からの勧めによると言われており、公開初演でもヘルメスベルガーさんは演奏していたそうですが、曲の完成直後に「第2楽章のスケルツォがよくない」と評したことから、いろいろと紆余曲折があったようで、本曲はヘルメスベルガーさんには献呈されませんでした。
個人的には第3楽章のアダージョが印象に残りました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ブルックナー、アントン:弦楽五重奏曲ヘ長調