一日一曲(1188)トゥチャプスキー、アントニン:ヴァイオリン協奏曲

 本日は、没後10年(2014年9月9日没)を迎えらえたチェコの作曲家、アントニン・トゥチャプスキーさんの曲をご紹介します。

 トゥチャプスキーさんは、1928年に旧チェコスロバキアのオパトヴィツェ(ヴィシュコフの一部)で生まれました。音楽を学び、作曲家、教師、指揮者としてのキャリアをスタートさせました。1951年にクロムニェジーシュの高等音楽学校で教師となられています。同年、有名なモラヴィア教師男声合唱団のメンバーとなり、1964年から1972年までその合唱団の合唱指揮者を務めました。1975年にイギリスに渡り、ロンドンのトリニティ音楽院で作曲の教授となり、1996年に退職するまで在籍した。1985年にはトリニティ音楽大学の名誉フェローシップを授与されています。1975年より亡くなるまでイギリスで暮らされました。
 
 本日の曲はヴァイオリン協奏曲です。合唱指揮者を担当されていた経歴から、合唱曲の作品を多く遺されている中で、器楽曲の本曲はトゥチャプスキーさんとしては珍しいジャンルの作品となります。本曲は『モラヴィアとその音楽へのオマージュ』として書かれているそうです。
 伝統的な3楽章形式で構成されており、メロディも親しみやすいものです。第1楽章はトリル音を主体として、幾分不安な面持ちのメロディから開始されます。チェコの近現代の音楽は短調系の音楽が多いような印象を受けるのですが、政治的に翻弄されてきた歴史がそうさせているのかもしれません。といっても暗い曲ばかりというわけではなく、本曲は第3楽章では明るい舞曲風の音楽で締めくくられています。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
トゥチャプスキー、アントニン:ヴァイオリン協奏曲

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