一日一曲(1192)シェーンベルク、アルノルト:浄夜

 本日から五日間にわたって、生誕150年(1874年9月13日生)を迎えらえたオーストリアの作曲家、アルノルト・シェーンベルクさんの曲をご紹介します。

 シェーンベルクさんはウィーンでユダヤ人の家庭に生まれました。8歳よりヴァイオリンを習い始め、その後チェロを独学で勉強しました。15歳の時に父が亡くなり、経済的に立ち行かなくなったことから、シェーンベルクさんは地元の私立銀行に勤め始め、夜間に音楽の勉強を続けるという生活になりました。が、1895年、20際の時に勤めていた銀行を辞め、音楽家として生きていくことを決意、当初はアマチュア合唱団の指揮などをして生計を立てるようになりました。

 その頃書かれた曲で、シェーンベルクさんの初期の代表作となった「浄夜」を本日はご紹介します。1899年に当初は弦楽六重奏曲として書かれましたが、のちに弦楽合奏用にも編曲されています。本曲は人気を呼び、シェーンベルクさんの主な収入源となったとのことです。曲は、リヒャルト・デーメルの同名の詩「浄夜」に基づき、月下の男女の語らいが題材となっています。シェーンベルクさんというと、「十二音音楽」の創始者で、「現代音楽の祖」とも言われています。十二音に基づいた音楽と本曲とは著しく異なっていまして、本曲は鑑賞しやすい曲と言えるでしょう。
 詩の大意は、『月夜に男と女がいる。女は告白する。「私のお腹には赤ちゃんがいるが、それはあなたの子ではありません」男は苦悩するが、やがて「その子は私たちの子として育てようではないか」と女を赦す。』というものです。シェーンベルクさんはこの内容にふさわしい音楽を創り上げました。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
シェーンベルク、アルノルト:浄夜

シェーンベルク、アルノルト:浄夜(MP3ダウンロード)

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