一日一曲(1194)シェーンベルク、アルノルト:月に憑かれたピエロ

 本日は、生誕150年(1874年9月13日生)を迎えらえたオーストリアの作曲家、アルノルト・シェーンベルクさん特集の3回目です。

 1908年頃から本格的に無調の作品が作られるようになりました。『弦楽四重奏曲第2番 ヘ短調』(作品10、1907~08年)、歌曲集『架空庭園の書』(作品15、1908~09年)、『3つのピアノ曲』(作品11。1909年)など、代表作が量産される中、これらの「実験」の一つの集大成として『月に憑かれたピエロ』(作品21)1912年に発表されました。

 『月に憑かれたピエロ』では、語り手が「シュプレヒシュティンメ」と言われる、「語るように歌う」、歌唱と朗読の中間的な方法で演奏(歌唱?)せよ、という指定がなされており、また、このシュプレヒシュティンメの説明をシェーンベルグさん自身が詳細に書き残しています。本曲はラヴェルやストラヴィンスキーをはじめ他の多くの作曲家に影響を与えたことでも知られており、ラヴェルは本曲に触発されて「ステファヌ・マラルメの3つの詩」を、ストラヴィンスキーは「3つの日本の抒情詩」を作曲しています。

 詩の内容はちょっとグロテスクで、音楽もそれに寄り添った感がありますので、気楽に鑑賞しようと思って聴くとしんどいことになってしまうかもしれません。好き嫌いもはっきりしそうな曲です。でも、それと本曲が傑作であるということはあまり関係ありません。本日はヴァイオリニストのパトリツィア・コパチンスカヤさんが語りを務めていらっしゃる演奏をどうぞ。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
シェーンベルク、アルノルト:月に憑かれたピエロ

シェーンベルク、アルノルト:月に憑かれたピエロ(CD)

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