一日一曲(1215)テレフセン、トマス:ピアノソナタ ハ短調
本日は、没後150年(1874年10月6日没)を迎えらえたノルウェーの作曲家兼ピアニスト、トマス・テレフセンさんの曲をご紹介します。
テレフセンさんは昨年(2023年)が生誕200年(1823年11月26日生)でしたので、そちらで一度取り上げています。
伝説のピアニスト兼作曲家であるショパンの友人であり、自身もピアニスト及び作曲家(主にピアノ曲の)として名声が高かったテレフセンさんですが、残念なことに51歳の若さで亡くなられました。長生きされていれば、もっとたくさんの名曲を創作されていたかもしれません。
本日は「ピアノソナタ ハ短調」です。テレフセンさんはピアノ独奏曲では比較的短い曲を多く創られていらしたようで、「ソナタ」のような規模の大きい作品は珍しい部類に入るようです。ヴァイオリンやチェロのソナタ、ピアノ協奏曲など、他のジャンルでは規模の大きな作品を創られていらっしゃるので、ピアノ独奏曲でも作ろうと思えば作れたのでしょうが、そのあたりどうしてなのか、興味深いところです。
曲はショパンを思わせるようなはかなげで物悲しいメロディで始まります。テクニック的にもかなり高度ではありますが、それを前面に出すのではなく、あくまでメロディの美しさを前面に出しています。暗い第1主題と対になる第2主題はほのかな温かさがあり、そのぬくもりに心が癒されます。第2楽章はゆったりとしたテンポの中、ここでもテレフセンさんはピアノを「歌わせ」ます。最終楽章は快活なロンド。華やかに曲を閉じます。
本曲は演奏される機会が少ない曲だと思われますが、もっと広く親しまれてもよい曲の1つではないでしょうか。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
テレフセン、トマス:ピアノソナタ ハ短調