一日一曲(1241)イソルフソン、パル:ドリア旋法によるシャコンヌ
本日は、没後50年(1974年11月23日没)を迎えらえたアイスランドの作曲家兼オルガニスト、パル・イソルフソンさんの曲をご紹介します。
イソルフソンさんは1893年にアイスランドの南海岸の村ストックセイリで生まれました。1908年にレイキャビクに出てきて音楽を学びました。その後、1925年にパリに渡りさらに研鑽を重ねました。修業を終えた後はアイスランドに戻り、故郷で音楽の仕事に従事しました。何十年にもわたってアイスランドの音楽シーンのリーダーとなり、オルガンの天才として活躍されました。1924年から1936年までレイキャビク吹奏楽団の指揮者を務め、1930年から1957年までレイキャビク音楽大学の校長を務められました。また、1926年から1939年までレイキャビクの自由教会のオルガニストを務め、その後1939年から1967年までレイキャビクの大聖堂でオルガニストも務められました。20世紀のアイスランド音楽の第一人者の一人として数えられています。
本日の曲はオルガン曲「ドリア旋法によるシャコンヌ」です。ドリア旋法とは、簡単に言うと、「ドレミファソラシド」をレから始めた旋法(音階)のことです。「レミファソラシドレ」ということです。「ドリアンスケール」「ドリアンモード」などとも呼ばれます。ドから始まる形に直すと、「ドレミ♭ファソラシ♭ド」となります。ちなみにドから始まる長調は「ドレミファソラシド」、ドから始まる短調は「ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド」なので、微妙に違うわけですね。ドリア旋法は教会旋法のひとつで、中世ヨーロッパで古くから使われていましたが、本曲はそれを使って創られているというわけです。オルガン曲としてはちょっと地味目な曲かな、と思いますが、本日はオルガンの天才と謳われたイソルフソンさんを存分に堪能いたしましょう。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
イソルフソン、パル:ドリア旋法によるシャコンヌ