一日一曲(1243)デュマージュ、ピエール:オルガン組曲
本日は、生誕350年(1674年11月生)を迎えらえたフランスの作曲家、ピエール・デュマージュさんの曲をご紹介します。
デュマージュさんは1674年11月23日に洗礼を受けられた、とのことです。ボーヴェ大聖堂のオルガニストであった父親から音楽の手ほどきを受けました。パリで研鑽を積み、1710年にラン大聖堂のオルガニストに任命されました。年数を重ねるうち、大聖堂支部の上司との関係がぎくしゃくしてしまい、1719年3月30日に45歳で退任、その後は公務員に転職し、亡くなられるまでプロとして音楽を演奏したり作曲したりということを一切行わなかったそうです。そのせいもあり、遺された作品は本日紹介する「オルガン組曲」のみとなっています。本作品は1708年、作曲者34歳の時に出版されています。本曲の続きに位置付けられる「オルガン組曲第2番」が1712年にラン大聖堂の支部に贈呈されているそうなのですが、その曲は残念ながら失われてしまっているそうです。
本日は遺された唯一の作品、「オルガン組曲」をどうぞ。「プレイン・ジュ」、「フーガ」、「トリオ」、「ティアス・アン・タイユ」、「トロンペット・バス」、「レシット」、「デュオ」、「グラン・ジュ」の伝統的なフランスの8つの曲から構成されています。各曲は1分から3分程度の短い曲で、全体の演奏時間も11分程度とコンパクトにまとまっています。どの曲も魅力的ですが、個人的には最終曲の「グラン・ジュ」が特に印象に残りました。オルガンらしい堂々とした威厳に満ちた響きに圧倒されます。
長く活躍されていたら、どのような曲を遺されていたのか、失われた『第2番』はどのような曲だったのか、興味深いところです。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
デュマージュ、ピエール:オルガン組曲