一日一曲(1249)ヴェレス、エゴン:シチリアーナのテンポで「愛娘リージの誕生日に寄す」
本日は、没後50年(1974年11月9日没)を迎えらえたオーストリアの作曲家、エゴン・ヴェレスさんの曲をご紹介します。
ヴェレスさんは1885年にオーストリアのウィーンで生まれました。ウィーン大学で音楽学と作曲を学び、1908年に博士号を取得しました。音楽学者としてはバロック・オペラやビザンティン音楽の研究で知られています。1911年から1915年までウィーン音楽院の音楽史の講師を務められました。1920年にシェーンベルクの伝記を執筆されています。1922年には、国際現代音楽協会に設立メンバーの一人として参加されました。1929年からはウィーン大学の音楽学の教授となりましたが、ユダヤ人であったため、職を追われることとなりました。1938年のナチス・ドイツのオーストリア併合に際し、オランダ経由でイギリスに逃れました。イギリスではオックスフォード大学の講師となり、後年名誉博士の称号を受けられています。1940年には「敵性外国人」とされマン島のハッチンソン収容所に送られ、1943年まで収監されたという経験もされていらっしゃいます。1974年に89歳で亡くなられました。作曲家としては、9つの交響曲、シェイクスピアの『テンペスト』に基づいた管弦楽曲、弦楽四重奏曲やトリオを含む室内楽、ピアノとオルガンのための作品など、多数の作品を遺されていらっしゃいます。
本日の曲は、ヴァイオリン独奏曲『シチリアーナのテンポで「愛娘リージの誕生日に寄す」』です。1912年8月26日に生まれ、早くからヴァイオリンを弾き始めた次女エリザベートの12歳の誕生日に、恐らくプレゼントされた曲です。エリザベートさんは早速弾かれたのではないでしょうか。短くかわいらしい曲です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ヴェレス、エゴン:シチリアーナのテンポで「愛娘リージの誕生日に寄す」