一日一曲(1261)マルタン、フランク:ヴァイオリンソナタ第1番

 本日から五日間にわたって、没後50年(1974年11月21日没)を迎えらえたフランスの作曲家、フランク・マルタンさんの曲をご紹介します。

 マルタンさんは1890年にスイスのジュネーヴで牧師の家庭の10人兄弟の末っ子として生まれました。就学前よりピアノを弾き、即興演奏をたしなむほどの早熟ぶりであったとのことです。9歳のときには、まだ正規に和声法や歌曲形式を学ばずに歌曲を作曲していたそうです。そのような中、1903年の復活祭の日、12歳のマルタンさんはジュネーヴのサンピエール大聖堂で行われた「マタイ受難曲」の公演に出席しました。その演奏に深い感銘を受け、以後バッハを精神的な師として仰ぐようになりました。マルタンさんの生涯を決定づけた出来事となっています。1906年から作曲とピアノをヨーゼフ・ラウバーに師事しました。が、音楽院には進まず、1908年に進学したジュネーヴ大学では数学と物理学を学びました。2年の学びの後、1910年にスイス音楽家協会(AMS)のメンバーとなりました。以後亡くなられるまでの64年間、この協会に所属されました。作曲を中心として活動されますが、1920年代まではチューリヒやローマ、パリを転々と過ごす中、独自の音楽語法の探究をすすめられました。この間、1918年に結婚、1922年には長男誕生と、私生活の方でも充実されていらっしゃいました。

 本日は初期の頃の作品の一つ、ヴァイオリンソナタ第1番をご紹介します。1913年、マルタンさん23歳の時の作品です。派手さは全くなく、渋めの内省的な音楽です。少々物悲しいメロディが印象的です。バッハを精神的な師としているということが関係しているのかもしれません。フランス作曲家によるヴァイオリンソナタの佳品です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
マルタン、フランク:ヴァイオリンソナタ第1番

マルタン、フランク:ヴァイオリンソナタ第1番(MP3ダウンロード)

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