一日一曲(1355)カールマン、エメリッヒ:草原の歌
本日は、昨日ご紹介した作曲家のお父様にあたる作曲家、エメリッヒ・カールマンさんの曲をご紹介します。
カールマンさんは1882年にオーストリア・ハンガリー帝国のシオフォクで生まれました。1900年からブダペスト大学で法律を学びましたが、同時にブダペストのハンガリー王立音楽アカデミーの作曲クラスに入学し、研鑽を重ねました。同窓生の中には、大作曲家ベーラ・バルトークがいらしたそうです。卒業後、日刊紙「ペスティ・ナプロ」で音楽評論家となったのが仕事の始まりでした。1907年にはブダペスト市のフランツ・ヨーゼフ賞を受賞、1908年にはカールマンさん作曲のオペレッタ「Tatárjárás」が初演され、成功を収めました。このオペレッタはブダペスト初のオペレッタとなりました。その後ウィーンに移り、オペレッタを量産、大西洋の両側で最も有名なオペレッタ作曲家の一人となりました。出自がユダヤ人であったことから、1938年のオーストリア併合後、ウィーンとオーストリアを離れなければならず、チューリッヒを経由して最初にパリに移住、そこから1940年にアメリカ合衆国に移住しました。第二次世界大戦の終結から4年後の1949年になってようやくヨーロッパに戻り、ウィーンやバート・イシュルなどで活躍されましたが、再びニューヨークに滞在した後、1951年にパリに定住、その2年後の1953年に71歳で亡くなられました。
本日の曲はお得意のオペレッタの中から1曲。「アリゾナ・レディ」から最初の曲である「草原の歌」です。本曲はカールマンさんが完成することができずに亡くなられ、息子さんのチャールズ・エメリッヒ・カールマンさんが完成させました。初演はカールマンさんの死から2か月後、もう少し生きていらっしゃれば初演を聴けていたかもしれませんでした。なお、本作の題名の「アリゾナ・レディ」とは、馬の名前のようです。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
カールマン、エメリッヒ:草原の歌