一日一曲(1356)ターティス、ライオネル:夢
本日は、没後50年(1975年2月22日没)を迎えらえたイギリスのヴィオラ奏者兼作曲家、ライオネル・ターティスさんの曲をご紹介します。
ターティスさんは1876年にイングランド北部の街ウェストハートルプールで生まれました。13歳でピアニストとして生計を立てるために家を出ました。1892年にはためたお金でロンドンのトリニティ音楽大学に入学し、ヴァイオリンのレッスンを受けました。1895年にはライプツィヒ音楽院で6ヶ月を過ごした後、ロンドンの立音楽院(RAM)に入学しました。1897年、RAMに在籍していた彼は、校長に勧められ、ヴァイオリンの代わりにヴィオラを弾くようになりました。それは良い方針転換となりました。ターティスさんは急速に当時最も有名なヴィオラ奏者の一人となり、ソリストとしてヨーロッパとアメリカをツアーしました。1900年からは母校RAMのヴィオラ教授となり、後進の指導にも熱心に当たられました。ターティスさんは同僚や学生にヴィオラのための作曲を奨励し、それによってヴィオラ曲のレパートリーを大幅に拡大することとなりました。1906年にはボヘミア弦楽四重奏団に所属した他、後にはヴァレン弦楽四重奏団のヴィオラ奏者としても活躍されました。アーノルド・バックス、フランク・ブリッジ、グスタフ・ホルスト、ベンジャミン・デール、ヨーク・ボーエン、ラルフ・ヴォーン・ウィリアムズ、アーサー・ブリス、アーノルド・トロウェル、ウィリアム・ウォルトンなどの多くの作曲家がターティスさんのために作品を書きました。1937年に教育に専念するためにコンサートの舞台からは引退されました。1950年の新年の叙勲で大英帝国勲章(CBE)を受賞されています。1975年2月22日、ロンドンのウィンブルドンで98歳で亡くなられました。
本日の曲はヴィオラ曲「夢」です。録音は少々古い(1922年、45歳の時の録音)ですが、自作自演でどうぞ!ポルタメントのかけ方など、時代を感じさせるロマンティックな演奏です。優しい旋律が夢に誘います。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ターティス、ライオネル:夢