一日一曲(1391)横尾幸弘:さくら
本日は、生誕100年(1925年3月31日生)を迎えらえた日本のギタリスト兼作曲家、横尾幸弘さんの曲をご紹介します。
横尾さんは大分県日田市川原町で生まれました。生家は和紙卸問屋でした。1939年、横尾さんが中学3年生の時、京都の大学へ通う一つ上の兄が持ち帰った一本のギターが横尾さんの運命を決定することになりました。横尾さんは独学でギターを学び始めました。京城歯科医専(現在のソウル大学)へ主席の成績で進学しましたが、ギターへの思いが強く両親の反対を押し切り中退。その後間も無く第二次世界大戦が勃発し、満州(満州第九七部隊)へ赴くことになりました。この時上級兵により暴行を受け鼓膜穿孔を負い、生涯左耳の聴力低下と激しい耳鳴りに悩まされることとなりました。横尾さんは、耳鳴りの程度を終始耳元でセミが大声で鳴くようだと話されていたようです。1955年、ギタリストとも交友を深める中、上京し、コンサートなども開くようになりました。1959年には、代表作《さくら変奏曲》が完成しました。この曲に使用されたダブルトレモロ奏法は、本曲がきっかけとなり広まったとのことです。1969年の日本ギタリスト協会が設立され、メンバーとして活躍されました。自身のギター教室と併せ、東京医科歯科大学、学習院大学、国際商科大学、立教大学、芝浦工業大学などで音楽講師も務められました。2009年に84歳で亡くなられました。
本日の曲は横尾さんの代表作「さくら」です。横尾さんは日本の古い歌曲「さくらさくら」の編曲を3種類手がけられているそうです。どんな3種類で、本日の演奏がそのどれかなど、残念ながらよくわかりませんでした。
本曲は、短い序奏部分に次いで、テーマである「さくら」のメロディが提示されます。ただ、序奏部分でも「さくら」のメロディはそれとわかる形で使われています。続いて4つの変奏が行われ、最後はコーダで曲が締めくくられます。「さくら」のもつはかなげな雰囲気が、ギターと相性が良い感じです。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
横尾幸弘:さくら