一日一曲(1398)メラルティン、エルッキ:24の前奏曲

 本日は、生誕150年(1875年2月7日生)を迎えらえたフィンランドの作曲家、エルッキ・メラルティンさんの曲をご紹介します。

 メラルティンさんはフィンランド大公国とロシア帝国本領との国境付近に位置するカレリア地方のカキサルミ(現ロシア連邦、プリオゼルスク)に生まれました。ちょうど生没年が先日特集しましたフランスの大作曲家、モーリス・ラヴェルさんと偶然同じです。生まれはちょうど1か月早く、亡くなられたのは10ヶ月ほど先でした。1899年から1901年にかけてウィーンに留学し、ウィーン音楽院で作曲などを学びました。帰国後、1908年から1911年まで、ヴィープリのオーケストラの指揮者として活躍されました。1911年からは、ヘルシンキ音楽院(現シベリウス・アカデミー)で教鞭を執り、1936年まで校長の職にありましたた。慢性的な病気のため、室内での活動が中心であったとのことです。そのような境遇も、10歳年上のシベリウスさんの陰に隠れて目立たなくなってしまった一つの要因かもしれません。

 本日の曲はピアノ曲「24の前奏曲」です。作品番号は85。1920年、作曲者45歳の時の作品です。本曲集は全部の調性を使って書かれた作品ではありません。各曲にはそれぞれタイトルが付けられています。24曲全体で演奏時間は約40分弱。1曲1曲は2分以内くらいのとても短い曲の集まりです。

  第1番 古代ギリシャの儀式
  第2番 カプリッチョ
  第3番 勉強
  第4番 瞑想
  第5番 日本の桜
  第6番 ヴェネツィアの夜
  第7番 オルゴール
  第8番 重い夜
  第9番 静かな夜
  第10番 冬の道
  第11番 キヤノン
  第12番 民謡
  第13番 スケルツィーノ
  第14番 秋の夜
  第15番 ロマンス
  第16番 バラテラ
  第17番 春の朝
  第18番 堅牢に
  第19番 間奏曲
  第20番 マズルカの時間
  第21番 アイデア
  第22番 決定
  第23番 約束
  第24番 エネルギコ

 あまり知られていない作曲家ですが、本曲も含めて面白い曲や名作が隠れていそうな気がします。生誕150年の今年をきっかけに再発見が進んでほしい作曲家の一人です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
メラルティン、エルッキ:24の前奏曲

メラルティン、エルッキ:24の前奏曲(MP3ダウンロード)

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