一日一曲(1428)サリエリ、アントニオ:ピアノソナタ ハ長調
本日は、没後200年(1825年5月7日没)を迎えらえたイタリアの作曲家、アントニオ・サリエリさんの曲をご紹介します。
サリエリさんは1750年にイタリア北部の街レニャーゴで生まれました。幼少の頃から音楽教育を受けました。1763年から翌年にかけて両親が相次いで死亡して孤児となり、はじめは兄のピエトロのいる北イタリアのパドヴァ、ついでヴェネツィアに住んで声楽と通奏低音を学びました。1766年、サリエリさん15歳の時に当時ウィーンで活躍していた作曲家に才能を見出され、ウィーンでデビュー、様々な音楽家との交流が始まりました。1768年に最初のオペラを作曲、この曲は結局上演されなかったようですが、次々と作品を発表、1770年1月には19歳にして作曲したオペラが上演される栄誉に浴しました。1772年の喜劇オペラ『ヴェネツィアの市(La fiera di Venezia)』で大成功、名声を確立しました。1774年に師のガスマンが没すると、皇帝ヨーゼフ2世によってその後継者として宮廷作曲家兼イタリア・オペラ監督に任命されました。さらに1788年には宮廷楽長に任命され、亡くなる直前の1824年まで36年間その地位で活躍されました。1817年にはウィーン楽友協会音楽院の指導者に就任し、また、ニューイヤーコンサートで有名なウィーン楽友協会の黄金ホールの設計、特に空間性、音響効果の設計にも携わりました。亡くなる1年半ほど前からは認知症に苦しみ、1825年5月7日にウィーンで74歳で亡くなられました。同年6月22日に行われた追悼式では、1804年に作曲された自身の『レクイエム ハ短調』が初演されたとのことです。
本日の曲は「ピアノソナタ ハ長調」です。サリエリさん唯一の鍵盤楽器ソナタで、コンパクトな中に素材が多く詰め込まれていて楽しめる内容となっています。曲は6つの簡潔な楽章に分けられています。つまり、6楽章形式ということで、これは当時のソナタとしては珍しい形式となります。組曲と理解した方がしっくりするのかもしれません。6つの楽章がありますが全体の演奏時間は約9分という、非常に短い曲に仕上がっています。愛らしい曲です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
サリエリ、アントニオ:ピアノソナタ ハ長調