一日一曲(1438)ミルナー、アンソニー:アクエンアテンの歌

 本日は、生誕100年(1925年5月13日生)を迎えらえたイギリスの作曲家、アンソニー・ミルナーさんの曲をご紹介します。

 ミルナーさんはイギリス南西部の街ブリストルで生まれました。バークシャーのドゥアイ・スクールで教育を受け、その後奨学金を得て王立音楽大学に進学、研鑽を重ねました。卒業後のキャリアはロンドンのモーリー・カレッジで始まり、1948年から1964年まで音楽理論と歴史を教えました。1965年から1971年までキングス・カレッジ・ロンドンで音楽の講師を務め、1974年にゴールドスミス・カレッジに上級講師として移り、1974年に主任講師となりました。1962年からロイヤルカレッジの非常勤で教えていましたが、1980年にはフルタイムの主任講師に昇進し、1989年に引退するまでこのポストに留まりました。1985年、カトリックの典礼音楽における彼の功績を認められ、教皇ヨハネ・パウロ2世より聖グレゴリーの騎士に任命されています。ミルナーさんは40代で多発性硬化症と診断されました。病気が進行するなか、次第に難しい活動となった作曲を続けられました。ミルナーさんの最後の作品であるオーボエ協奏曲は1994年に完成しました。人生の最後の2年間はスペインで過ごし、2002年9月22日にそこで77歳で亡くなられました。

 本日の曲はオーケストラとソプラノのための曲、「アクエンアテンの歌」です。アクエンアテンは古代エジプト第18王朝のファラオで、在位期間は紀元前1353年?~紀元前1336年?でした。当時国家神であったアメン神から唯一神アテン神への「宗教改革」を行ったことで有名です。ツタンカーメンのお父様でもあります。3楽章からなる本曲の歌詞をいかに記しておきます。


天の地平線に昇る汝の夜明けは美しい。
ああ、生けるアテンよ、生命の主よ。
汝が天の東の地平線に昇るとき、
汝はすべての地を汝の美で満たす。
汝は偉大で、輝き、大地の上に高く君臨するからである。
汝はラーであり、すべての者を虜にし、
汝の愛によって彼らを縛り付ける。
汝は遠くにいようとも、汝の光線は大地に宿る。
汝は高くいようとも、汝の足跡は昼の輝きである。
すべての家畜は牧草地に憩う。
すべての樹木と緑は栄える。
沼地では鳥が羽ばたき、羽ばたき、羽ばたき、
汝を崇拝して翼を広げる。
川の魚は汝の前で飛び上がり、
汝の光線は海の深みに見られる。ビーズのような目をした小さなネズミは、穴の中に座り、前足で鼻を掃除しています。
小さなひよこは、あなたが準備を整えた卵の殻から飛び出し、その中で鳴いています。
猿たちは頭を上げてあなたを崇拝しています。
象たちは喜びのラッパを鳴らしています。
あなたが創造したすべての獣は、喜びに走り跳ねながら、あなたを讃えています。


毎日があなたの賛美の中を歩み、地はとこしえにあなたの祝福を告げ知らせます。
あなたが天の西の地平線に沈むとき、
世界は暗闇に包まれます。死者のような暗闇です。
人々は眠る。寝室で眠り、頭を覆い、
鼻孔を塞がれ、互いに見合うことはありません。
彼らの頭の下にあるものはすべて、知らないうちに盗まれます。
あなたの光の中に見えるものはすべて、闇に囚われている間、忘れ去られます。
世界は沈黙します。それを創造した者は、その地平線に安らぎます。


万物の主よ、あなたの御業はなんと多様でしょう。
すべての人は、あなたを前に見ます。
夜明け、遥かに輝き、そして戻ってくるあなた、
あなただけが、すべての美を創造します。
世界はあなたの御手の中にあります。
あなたが創造されたように。
あなたは昼の、地上の昼の、天の御方です。
あなたは私の心の中にいます。
あなたを知る者は他にいません。
あなたは私をあなたの計画と力において賢くしてくださいました。
私はあなたの口から出る甘い息を吸います。
私は毎日あなたの美しさを眺めます。
西風でさえも、あなたの甘い声を聞きたいと願います。
私の手足があなたへの愛によって再び若返りますように。
あなたの御手を私に与え、あなたの霊を抱きしめてください。私がそれを受け取り、それによって生きることができますように。
永遠に私の名を呼び続けてください。そうすれば、それは決して絶えることはありません。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ミルナー、アンソニー:アクエンアテンの歌

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