一日一曲(1444)プラテ、アントン・エドヴァルド:スウェーデン民謡による主題と変奏曲

 本日は、没後150年(1875年5月23日没)を迎えらえたスウェーデンの作曲家兼ハープ奏者、アントン・エドヴァルド・プラテさんの曲をご紹介します。

 プラテさんは1796年11月にボヘミアのハイダ(現在はチェコ共和国の一部)で生まれました。実家は人形劇団を商売にしており、当時非常に人気があったそうです。北欧各地を巡るツアーの中で育ち、子供時代からでショーの幕間にデイヴィッド・ハープを使って演奏をしており、それが注目されていたとのことです。十代の頃のスウェーデンへのツアー中に、残忍な父親と厳しい生活から逃げようと決心、名前をアントン・エドヴァルド・プラッテに変更し、主に自身の作曲した曲を演奏しながら国際的なソロ活動を展開しました。プラテさんの演奏は非常に評判が良く、ヨーロッパの音楽都市のほとんどで大きな成功を収め、主要なオーケストラ(スウェーデン王立オペラを含む)から常勤のポジションのオファーを何度も受けたそうです。ただ、プラテさんは人生の大半をスウェーデン東部の静かな地域で過ごすことを選ばれました。また、プラテさんは音楽を教えることと引き換えに滞在できるさまざまな貴族の領地を旅してまわりました。指揮者としても、例えばオーケストラの前身であるノルショーピング交響楽団の首席指揮者を務めるなど、活躍されました。音楽の才能に加え、画家や詩人としての才能にもあふれていらしたようです。1850年にはスウェーデン王立音楽アカデミーの会員に選出されています。1875年5月23日に78歳で亡くなられました。

 本日の曲はハープ独奏曲「スウェーデン民謡による主題と変奏曲」です。ここで使われているスウェーデン民謡とは、童謡「Katten och killen (猫と子猫) 」とのことです。私はこのメロディは初めて聴きました。本曲の作曲年代は定かではないとのことですが、本曲が始めて演奏されたのは1818年12月で、ウプサラ大学で行われたのコンサートでのことだったと記録が残っています。少し物悲しいメロディですね。猫と子猫に何らかの悲劇があったのでしょうか。本曲は主題の後に7つの変奏曲が続いているのですが、本曲は主題→第1~3変奏→第5~7変奏→第4変奏、という順で演奏されています。NMLで時々見られるミスかと当初は思ったのですが、ブックレットやバックインレイでもその通りに書かれているので、演奏者が何らかの理由でこの順番にしたのではないかと推測されます。第7変奏がしっとりとしているのに対して第4変奏が派手ですので、第4変奏を最後に持ってきて少し華やかに終わりにしよう、という意図なのかな、と考えましたが、どうなのでしょうね?

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
プラテ、アントン・エドヴァルド:スウェーデン民謡による主題と変奏曲

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