一日一曲(1456)ビゼー、ジョルジュ:4つの前奏曲

 本日は、没後150年(1875年6月3日没)を迎えらえたフランスの作曲家、ジョルジュ・ビゼーさん特集の2回目です。

 ビゼーさんは1858年1月からローマ大賞の奨学金でローマでの留学を開始しました。当初の半年は1曲(宗教曲「テ・デウム」)しか作曲できず、しかもその作品はあまり評価されませんでした。その後も野心的な構想を打ち立てながら間もなくそれをが残っていたので、一時的ですが経済的には安定した状態となり、自由に創造活動に明け暮れる日々を送りました。ビゼーさんはピアニストとして相当な才能に恵まれていましたが、あまり積極的にコンサートを行うことはありませんでした。逆に、その才能を「まるで悪行であるかのように」隠すことを選択していました。ピアニストとしてのビゼーさんには、こんな逸話が残されています。ある時、大作曲家で伝説のピアニストであるリストが、とある晩餐の場で、自作を披露しました。演奏後に「この曲を正確に弾けるのは私とハンス・フォン・ビューローだけ」と豪語、大見得を切りました。その場に言わせていたビゼーさんは、知り合いに促されてピアノの前に進み、リストに代わって椅子に座りました。なんとビゼーさんは、この曲を初見で見事に弾き切りました!演奏終了後、巨匠はこう発言しました。「この難曲を克服できる人間は2人しかいないと思っていましたが、違いましたね、3人です。そして、こちらにいる最年少がおそらく最も大胆かつ最も華麗な演奏ができる方です。」

 本日の曲はピアノ曲「4つの前奏曲」です。1854年、ビゼーさん16歳の時の作品です。第1番から順番にハ長調(#ひとつ)、イ短調(#ひとつ)、ト長調(#ふたつ)、ホ短調(#ふたつ)、と並んでいますので、もしかしましたらビゼーさんは続いてニ長調(#みっつ)、ロ短調(#みっつ)・・・と24曲全ての調性を使っての曲集を作ろうとしていたのかもしれません。もしそうだったとしたら、是非最後まで作曲しきってもらいたかったものです。各曲とも演奏時間は1分未満という、とても短い曲となっています。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ビゼー、ジョルジュ:4つの前奏曲

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