一日一曲(1468)マルトゥッチ、ジュゼッペ:ピアノ協奏曲第2番変ロ短調

 本日は、一昨日ご紹介したファーノさんの師匠である、イタリアの作曲家兼指揮者兼ピアニスト、ジュゼッペ・マルトゥッチさんの曲をご紹介します。

 マルトゥッチさんは1856年1月にイタリア中部の都市カプアで生まれました。軍楽隊員でトランペット奏者であった父ガエターノから、音楽の基礎教育を受けました。じきに「神童」として頭角を顕し、8歳でピアニストとして初舞台を経験、11歳でナポリ音楽院に入学し、ピアノ及び作曲を学びました。1875年に19歳の若さでピアニストとして演奏旅行を開始、ドイツやフランス、イングランドの各地を歴訪しました。1880年にナポリ音楽院のピアノ科教授に就任し、1886年にはボローニャ音楽学校校長として後進の指導にあたられました。1881年からは指揮者としても活動を始め、ワーグナーの作品をイタリアで上演するのに尽力、1888年にはボローニャにおいてワーグナーの歌劇《トリスタンとイゾルデ》のイタリア初演を指揮しています。指揮者としては積極的にオペラ作品を取り上げていらっしゃったようですが、作曲では当時の流行に背を向け?オペラ作品は作曲されず、器楽曲や歌曲が創作のちゅうしんでした。1902年にナポリ王立音楽院の院長に就任。最晩年はナポリで過ごし、1909年に同地で53歳の若さで他界されました。1883年にナポリで生まれた息子パオロは、父と同じくピアニストとして名をなされています。

 本日の曲は「ピアノ協奏曲第2番変ロ短調」です。1885年、作曲者29歳の時の作品です。本曲は大指揮者で大作曲家のグスタフ・マーラーが1911年にニューヨークにおける告別演奏会のプログラムに入れたことで有名です。アントン・ルビンシテインはじめ当時のピアニストたちも本曲をレパートリーに入れていたようです。ただ、今日では滅多に耳にする機会がなくなっているように思います。
 ご自身のピアニズムを表現するために書かれた曲であり、作曲年の翌年に作曲者自身のピアノ独奏で初演されています。演奏時間は40分を超える大作です。伝統的な3楽章形式で書かれています。第1楽章が演奏時間21分ほどで、曲の半分を占めています。長大な曲の中にこれでもか、というばかりに超絶技巧がちりばめられていますが、それ以上にロマンティックなメロディがふんだんに盛り込まれています。聴きごたえ十分の本曲、休日など時間のある時にじっくりと鑑賞されることをお勧めいたします。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
マルトゥッチ、ジュゼッペ:ピアノ協奏曲第2番変ロ短調

マルトゥッチ、ジュゼッペ:ピアノ協奏曲第2番変ロ短調(MP3ダウンロード)

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です