一日一曲(1480)クレーベ、ギーゼルヘル:ヴァイオリンソナタ第2番

 本日は、生誕100年(1925年6月28日生)を迎えらえたドイツの作曲家、ギーゼルヘル・クレーベさんの曲をご紹介します。

 クレーベさんはドイツ南部の街マンハイムで生まれました。早くからヴァイオリニストであった母親の手ほどきで音楽を学び、13歳のころからは作曲も手掛けるようになりました。1940年にはベルリン市から助成金を受けて音楽の勉強をつづけました。第二次世界大戦中は信号兵として徴兵され従軍、ドイツ降伏後にロシア軍の捕虜となりました。幸運?にも体調不良のため、すぐに釈放されたとのことです。戦後はベルリン(1946-1951)で音楽の勉強を再開、このときに先日ご紹介したボリス・ブラッハーのマスタークラスで学ばれています。その後、1948年までラジオ局「Berliner Rundfunk」で働き、その後、作曲家としてフルタイムで働き始めました。1957年からデトモルト音楽大学で作曲と音楽理論の科目の講師を務め、1962年に教授に昇進、後に有名な作曲家となる多くの学生を教えました。1964年には西ベルリン芸術アカデミー(芸術アカデミー)の会員に任命されました。1965年には「Westfälischer Musikpreis」(後のHans-Werner-Henze-Preis)を受賞されています。生涯で140以上の作品を作曲し、その中には14のオペラ、8つの交響曲などが含まれています。2009年10月5日、長い闘病生活の末、ドイツ北部の街デトモルトで84歳で亡くなられました。

 本日の曲は「ヴァイオリンソナタ第2番」です。本曲は1972年5月から6月にかけて作曲され、師ボリス・ブラッハーの70歳の誕生日(1973年1月19日)に献呈された、とのことです。本作品には「ボリス・ブラッヒャーによるソナタ」という題名が付けられていたそうです、作品の導入部には、ブラッヒャーの名前に由来する音符、「B – E♭ (Es) – B – A – C – Bナチュラル (H) – E」が用いられています。ヴァイオリンのパートは、当時10歳であったブラッヒャーの息子コーリャ・ブラッハーの演奏技術を念頭に置いて作曲されたそうです。曲を聴いてみると、10歳でこれを演奏したのか!と感じましたが、後年コーリャさんはヴァイオリニストに成長しましたから、うなずけるものがあります。ただ、演奏技術的なところよりも、曲を解釈して演奏する方が難易度が高い感じがします。初演はコーリャさんがされたのでしょうか、演奏が残っているのであれば、是非聴いてみたいものです。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
クレーベ、ギーゼルヘル:ヴァイオリンソナタ第2番

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