一日一曲(1481)スミス、ヘイル:エヴォケーション
本日は、生誕100年(1925年6月29日生)を迎えらえたアメリカの作曲家兼ピアニスト、ヘイル・スミスさんの曲をご紹介します。
スミスさんはオハイオ州クリーブランドで生まれました。幼い頃からピアノを学び、高校のバンドではメロフォンを演奏していました。10代の頃には地元のナイトクラブでジャズピアノを弾いていたそうです。16歳のとき、デューク・エリントンに会い、エリントンはスミスさんの作曲についてコメントした、ということもあったそうです。1940年代初頭に徴兵され、アメリカ陸軍で働きました。ジョージア州とフロリダ州のキャンプでのショーのアレンジャーが主な仕事だったようです。陸軍退役後、クリーブランド音楽院でクラシック音楽と作曲を学び、学士号と修士号を取得しました。このころに作曲した「Four Songs」は、BMIが与える最初の学生作曲家賞を受賞しています。1950年代後半にニューヨーク市に移り、出版社で編集者として雇用され、ジャズピアニストおよびアレンジャーとして活躍されました。同時に、テレビ、ラジオ、劇場の付随音楽などを作曲されていたようです。1975年にはチコ・ハミルトンと共に、映画『ミスター・リッコ』の音楽を担当しています。ブルックビルのロングアイランド大学とストーズのコネチカット大学のCWポストキャンパスで教師を務めるなど、後進の指導にも熱心でした。1973年クリーブランド芸術音楽賞受賞、1982年全米アフリカ系アメリカ人音楽研究・演奏協会優秀功労賞受賞、1988年アメリカ芸術文学アカデミー作曲家録音賞受賞など、数々の栄誉にも浴されています。2009年11月24日に84歳で亡くなられました。
本日の曲は「エヴォケーション」です。タイトルには『喚起、(口寄せ・神降ろしの)呼び出し』といった意味があるようで、何らかの「霊」を呼びよせる、呪術的な意味合いの強い曲なのかもしれません。雰囲気がちょっとおどろおどろしくて、まさに題名にピッタリかな、と感じます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
スミス、ヘイル:エヴォケーション