一日一曲(1498)芥川也寸志:八甲田山
本日は、生誕100年(1925年7月12日生)を迎えらえた日本の作曲家、芥川也寸志さん特集の⑤回目、最終回です。
1978年、第1回日本アカデミー賞で『八甲田山』と『八つ墓村』が最優秀音楽賞と優秀音楽賞を受賞されました。1988年夏、日ソ音楽交流の一環で、訪ソする予定でしたが、渡航直前の6月、健康診断を受けた際に進行した肺癌が見付かり、即入院。手術を受け、いったんは成功したのですが、11月に再び病状が悪化し再入院。病状好転せぬまま、1989年1月31日入院先にて63歳の若さで逝去されました。逝去の前日、容態急変を聞き付け病院に駆け付けた作曲家黛敏郎の手を握り、回らぬ舌で「あとをたのむ」と言ったというエピソードが残されています。また、最後の言葉は「ブラームスの一番を聴かせてくれないか…あの曲の最後の音はどうなったかなあ」だったとのことです。芥川の音楽界での功績を記念して1990年4月、サントリー音楽財団により「芥川作曲賞」が創設されています。また、2002年には芥川を記念する「芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカ」が設立されています。
本日の曲は映画音楽『八甲田山』です。大ヒット作となった映画ですが、芥川さんの音楽もそれに一役買っていたのは間違いないでしょう。第1回日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞がそれを雄弁に物語っています。本作は音楽だけではなく、映画で鑑賞するのが良いでしょうね。
ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
芥川也寸志:八甲田山